空気吸うだけ

あんな風にも こんな風にも  生きたくない

夜はそのまなざしの先に流れる/空気公団(2012)

 
 
 
 
 
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A post shared by TAKITA S1r (@tkts1r)


「夜はそのまなざしの先に流れる」空気公団(2012/fuwari studio/JETSET)

空気公団の2012年作。完成度も評価も高く2019年当時の最新作「僕の心に街ができて」と共にアナログ化に選ばれた作品。未開封品が10000円以上の高値での取引が見受けられるなかHMVのオンラインで3000円という良心的な中古品を発見し即購入。

ダンスパフォーマンスを交えて行われた公演のライヴ録音を基にスタジオで音を加えて完成させた実験的作風。10曲中3曲がインストとサントラ的であったり、これがアルバム全体の物語性を上手に繋げてる。時期的に震災の事を反映してるかどうかは定かじゃないけど何時になく重厚な楽曲の数々。最後はふっと軽い感じで終わるけどそれさえもメッセージ性は強くて。

ここからは超個人的主観な話だけれど、社会的/環境的に大きな出来事があったあと、それを煽る訳ではなく、といって慰める訳でもなく、ただ暗闇に身を委ね、心を休ませてくれる音楽、といってもバラードアルバムではない、ベルベッドな質感のポップミュージック。僕はそれを「身を委ね系」または「寄り添い系」と呼んでいて、主にこの3作がそう。

ムーンライダーズの夜」ムーンライダーズ(1995)

「夜はそのまなざしの先に流れる」空気公団(2012)

「crepuscular」KIRINJI(2021)

奇しくも上から阪神淡路大震災/オウム騒動、東日本大震災、そしてコロナ禍と。どれも当年か翌年の発売。直接的な事は言ったり言わなかったりだけれど、どれも騒々しい時代に冷静さを持った愛おしい作品。この3作品は昨今のコロナ禍においてもよく聴いた。この中で現時点アナログで聴ける唯一の作品。

ようやく針を落として聴いてみる。これアナログ用にマスタリングし直してるのかな?音圧がどうこうと言うより霞が取り払われたかのようにクリアーで立体的。やはりB面3曲目「夜と明日のレコード」が大きな山だ。絶賛されて然るべし。あらためてすごい作品。
 

youtu.be

これは公開レコーディングの少し前に西麻布の新世界で行われたゲネプロ公演。仕事を終え横浜から駆けつけ開演ギリギリの到着にも関わらず最前列に1席空きがありそこに着席。なのですごく目立って映りこんでる。巨漢だし変な帽子被ってるのですぐわかるかと。