空気吸うだけ

あんな風にも こんな風にも  生きたくない

THE INTERNATIONAL PLAYBOY & PLAYGIRL RECORD/pizzicato five(1999)

「THE INTERNATIONAL PLAYBOY & PLAYGIRL RECORD」pizzicato five(1999/radymade records,tokyo/日本コロムビア

ピチカート・ファイヴの98年作「プレイボーイ プレイガール」の全13曲から8曲をチョイス、ヴァージョン違い1曲を追加した9曲入LP盤。これ時々中古屋で見かけてたんですがようやく購入。CD作品は冒頭こそ作り込んでるけど4曲目「新しい歌」以降ひたすらポップチューン連発で、そこから純粋に楽曲単位で「いい歌」がコンパイルされているという感じ。この頃のピチカートはノンストップ形式が多かったからこのアナログ向けにやや無理矢理なエディットもあったりはするけれど。

あと特記すべき点として、それまでのピチカートの作品て野宮さんをイメージした詞の世界だったけどこの作品以降目線が「男性」に...つまり小西さんの目線になるんですよ。小西さん曰く「今作は真貴ちゃんが僕のイタコになってくれている」と(笑)。どういう心境の変化でそうなったのかはわからないけど思いきり感情移入して聴いた「ベリッシマ!」にも似た何かを感じたものです。

 
 
 
 
 
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音楽殺人/高橋ユキヒロ(1980)

「音楽殺人」高橋ユキヒロ(1980/KING RECORDS/Sony Music Direct

昨年11月ソニーから出た再発盤。砂原良徳リマスタリング。サブスクで聴きクリアーな音質にビックリ。アナログはブルーのカラーヴァイナル仕様、ポスター&ステッカーも復刻といつものソニーらしからぬ(笑)満足度高き復刻であります。

でも実は長年「音楽殺人」がどうも苦手でした(ただし「Murdered by the Music」を除く)。「サラヴァ」「ニウロマンティック」に比べるとヨーロピアンなムードが薄れてちょっとポップに振り切り過ぎてるというか。YMOの幸宏しか知らなかったし最初はなんで幸宏がこんな垢抜けたリズムを叩くんだ?て思いました。一度レンタルした後商品として買ったのはだいぶ後でしかもオリジナル盤よりコンシピオからリリースされた「音楽殺人REMIX」の方が先だったという(笑)。でもその後加藤和彦さんでのプレイやスカパラとの交友などを経てこれも幸宏さんの引き出しの一つなのねと徐々にわかってきましたけど。

それでも毎年開催のライヴツアー(通称幸宏ツアー)でギターをかき鳴らすイントロからはじまる定番曲「Murdered by the Music」は否応無しにアガりますし、2008年から開催の「ワールドハピネス」で開幕時「BIJIN-KYOSHI AT THE SWIMMING SCHOOL」「I-KASU!」が流れるとそりゃもうのっけから心躍りましたよ。

ちなみにこちら町田のユニオンで定価の3割程お安い中古品を発見。ちょうど中古盤3枚購入で10%OFF、更に町田市PayPay20%還元もあってかなりお得に購入出来たかと。

 

 
 
 
 
 
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Softly/山下達郎(2022)

「Softly」山下達郎(2022/MOON/Warner Music Japan)

破格のプロモーション大展開だったタツロー11年ぶりのオリジナルニューアルバム。自分は贅沢にもプレミアムCD付初回限定版とアナログ盤を。

前作「Ray Of Hope」が震災を経て時代に合わせるべくバラード/ミディアムナンバー中心に纏めたのに対し「Softly」はフェニックスのアカペラ、リードトラックのダンスビートチューンと続き、3曲目以降これでもかとポップチューン連続。幅広い世代に向けたエールの歌多し。ふたたびアカペラを挟みブルージー反戦ナンバーを含む前半とはやや趣の異なる内省的なポップチューンで最後まで駆け抜けて締め括るといった印象。これってコロナ禍においてサンデーソングブックで言い続けてきた「冷静さと寛容さを持って励まし合って前向きに生きていきましょう!」という達郎氏からのメッセージそのもののような。中間のアカペラ「SHINING FROM THE INSIDE」を幕間にそれ以前が「寛容SIDE」以後が「冷静SIDE」と。これはちょっと深読みだけれど(笑)

そんな訳でタイトルとは裏腹に結構起伏のある終始ソフトリーな内容ではないと達郎さん自身も言っている(笑)性格が少しは丸くなった?という意味もあるらしいけど周囲は「ぜんぜん(否定)」ヤマザキマリさんが描いた肖像画の達郎さんが見せている微笑みが一番ソフトリーかな。

 
 
 
 
 
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Nonsuch/XTC(1992)

「Nonsuch」XTC(1992/Virgin Records/Ape House Ltd.)


やっぱり買ってしまいましたXTCの92年作「Nonsuch」アナログ盤2枚組。歴代の作品の中では屈折度弱めでオーソドックスと言われる作品だけどポップなメロディーとよく練られたアレンジそして批判的な歌詞、大人の余裕を持ったXTC史上一番好きなアルバム。リマスターされており最高の音質です。


プロデュースはガス・ダッジョン。まぁ途中でアンディが乗っ取ったかたちで解雇されたらしいんですけどね(笑)。CD時代突入だからか1時間強のバラエディに富んだ全17曲。冒頭3曲なんかは前作「Oranges & Lemons」にも通ずるパワーポップな雰囲気を継承、4曲目あたりからこのアルバム独特な音世界が広がりはじめホーン主体の「Humble Daisy」、コリンのうねるベースとアンディのカッティングを基に随所に弦楽を配置した「The Smartest Monkeys」、一見普通のポップチューンだけど2番にうっすらオーケストレーションが乗っていたりと小技が効いてる「The Disappointed」、ピアノと弦楽とホーンだけで構成され後のAppleVenus Vol.1の予告的でもある「Rook」...こんな具合にポップスの中に於けるストリングスやホーンの上手な活用法のお手本みたいな作品。Apple Venus Vol.1はポップスの範囲外にも及んでる感じだけどNonsuchはあくまでもポップスの範囲内。前作「Oranges & Lemons」がLA録音によるアメリカマーケットを意識した作品でその前の「Skylarking」もウッドストック録音、Nonsuchでのストリングスやホーンの効果は久々にイギリスのどんよりした空気を彷彿させるなぁと抽象的ながら思ったものです。


アナログでは2枚目になって高揚するメロディをトランペットが奏でる「Omnibus」、病みつきになる変態メロディ「That Wave」、静寂のバラード「Wrapped in Grey」は1番サビのコーラスメロが2番はストリングスに置き換わってここ大好き(笑)。コリン作「War Dance」「Bungalow」あたりでのJAZZ的アプローチ、最後の「Books Are Burning」はシンプルなバンドサウンドとコーラスワークに戻ってエンディングはアンディとデイヴのギターソロ合戦。そのままどこかへ行っちゃうのかな?当時は次のアルバムがなかなか出ないんで妙に感慨深く思ったものです。まぁデイヴは戻ってこなかった訳ですが。


あとこのアルバムはアートワークも大好きです。特に裏ジャケ。全17曲すべてがスクエアにアイコン化され配置されているこのキッチリ感、最高。

 
 
 
 
 
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STAY CLOSE/高橋幸宏&SteveJansen(1986)

「STAY CLOSE」高橋幸宏&Steve Jansen(1986/T.E.N.T/PONY CANYON

T.E.N.Tレーベル移籍第一弾オリジナルアルバム「Once A Fool…」から僅か3ヶ月半、前年ツアーに参加のスティーヴ来日のタイミングで録音された高橋幸宏とex.JAPANのドラマー・スティーヴジャンセンとの師弟関係デュオシングル。表題曲「STAY CLOSE」は幸宏&スティーヴのダンサブルなビートに加え前年ツアーのギタリスト・カルロスアロマーの鬼カッティング、矢口博康のファンキーなサックス、そして二人の甘い歌声を乗せたビートポップ。86年のツアーではドラムはテープ任せにし幸宏とスティーヴがハンドマイクで熱唱。中盤一度はけ後半ドラムを覆うYTロゴの幕が開いてフィルインと共にダブルドラムで演奏開始というこの上ないカッコ良さ!。そこで矢口さんのサックスが笑い、憲司のソリッドなギターがうねり、回って踊って鍵盤弾いてのコシミハル…と思い出すだけで鳥肌立ってくる(笑)

この盤は12インチでB面に2曲収録。まずはミディアムチューン「BETSU-NI」。スティーヴが幸宏に「日本人はよく“べつに”て言うけど何?」と訊いた事から出来た曲だそうで91年作「A DAY IN THE NEXTLIFE」でやはりスティーヴを迎えてアコースティックに再演。そして「STAY CLOSE(Weirder World)」と題した終始ダブルドラムの短いインストヴァージョン。このヴァージョンも超カッコ良くてね。A面のオリジナルも後半はライヴみたくダブルドラムにしてほしかったというのが正直なところ。

基本スティーヴがいないとやらない曲だけど「STAY CLOSE」は86年のツアー後、98年にPulseのアルバムが出た際スティーヴがゲスト参加し当時スカパラのドラマーだった青木さんを加えて、2012年の40周年記念ライヴ時にはGREAT3の白根さんを加えて、それぞれトリプルドラムで演奏。それで今年9月の50周年ですよ。スティーヴもゲストとアナウンスされているのでこれは期待していいですよ、ね?

このSTAY CLOSEを含む幸宏さんのT.E.N.Tレーベル時代の作品、実は来月アナログ復刻されるんですよね。そちらも特典目当てできっと買ってしまうのでしょう。今回は無償でお譲りいただきました(ありがとうございます)。

 
 
 
 
 
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Apple Venus Vol.1/XTC(1999)

Apple Venus Vol.1」XTC(1999/Idea Records/Ape House Ltd.)

XTCの1999年作。前作「Nonsuch」から7年、ヴァージンレコード離脱後自主レーベルからの発売。とにかく長めのブランクだったので待ちに待った新作。Vol.1とあるとおりこれ2部作で1がアコースティック、2がエレクトリックというサウンド指向に分けられまずはアコースティックの盤が先行。僕はSkylarkingでのデイヴグレゴリーのストリングスアレンジが大好きでNonsuchに至ってはそのストリングスやホーンを随所に配置し綿密なアレンジで聴かせるポップミュージックの最高峰だと思ってるけど7年のブランク後に登場したのがそれをも超越したこのシンフォニックポップ集。まぁデイヴはアルバム完成間近に脱退しちゃうんですけどね(それでも多くの曲に参加)。


アコースティックな小曲もいいけどやはり壮大なオーケストレーションで聴かせる「Easter Theater」「Greenman」「I Can't Own Her」あたりは圧巻。個人的にはラス前に置かれている弦楽のピチカートと笛の音が美しい牧歌的な収穫祭バラード「Hervest Festival」がベストトラック。これ聴くとその年の暮れに訪れたロンドン郊外薄曇りの田園風景が思い浮かばれるのですよ。今回購入したのは数年前アンディのレーベルから再発されたアナログ盤でここにきて輸入してきたもよう。リマスターもされていて最高の音質。これは他の盤も買っちゃうなぁ…。


99年2月、このアルバムのプロモーションでXTC(アンディとコリン)が来日!XTCはライヴやらないんでトークとサイン会のみ。サイン会への参加券は持っていなかったけど急遽思い立って新宿のタワーレコードに向かいました。話の流れの中でアンディが突然歌を歌い出したり、エロティックな発言で通訳の女性が困ってしまったり(笑)。破天荒で神経質そうなアンディと穏やかなコリン、思い描いていたとおりでしたね。

 
 
 
 
 
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SASKAMODIE/MOCKY(2009)

「SASKAMODIE」MOCKY(2009/Heavy Sheet)

MOCKYさんの2009年作のアナログ再発盤。MOCKYさんは昨年FMおだわら「ラジオのももすけ」で教えてもらい、最新作「Overtones For The Omniverse」はトータルタイムが短い事もあり幾度とリピート、このタイムは是非アナログでも欲しいなぁと思ってたところ何故か2009年作「Saskamodie」を先に購入してしまったという。

こちらもサブスクで聴いていて、どうやらこの作品あたりが今のMOCKYさんに繋がる鍵となるらしいと。確かにクールな印象を受けるアシッドジャズというか、「Overtones~」はここから更にブラジル方面に舵を取ったと考えると合点がいくといいましょうか。

今回購入した10周年記念盤はリマスターもされていて(音いいです!)、更にアナログ12インチLP+7インチボーナスシングルという仕様なんですよ。こういうの大好きなんでこれを先に買ってしまった訳です(笑)。坂本龍一「音楽図鑑」、矢野顕子「オーエスオーエス」、加藤和彦「うたかたのオペラ」等々…2枚組は盤替えるの面倒だなぁとなるけど7インチ付はおかわり感覚で好きというか(笑)配信で聴けるボーナストラックと本品のボーナスシングル収録曲は若干ヴァージョンも違ってそういうところも好き。

ところで近所の極小タワレコ店舗になぜか「Overtones For The Omniverse」のアナログが置いてあるんですよ。タワレコのWebで在庫確認しても大型店舗ならともかくなぜか藤沢店在庫有りと。最終的にこれ買うのやっぱ自分ですかね(笑)。藤沢店のアナログコーナーは小さいけど妙にツボにくる商品が置いてある。あれ不思議だなんでだろう?。

 
 
 
 
 
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